パリのポン・デ・ザール(Pon des Arts 芸術橋)の南京錠を撤去する・・・。
そんな衝撃的な!?ニュースが流れたのは、1ヶ月前のこと。
ポン・デ・ザールといえば、パリのセーヌ川とともに観光名所。
ナポレオン・ボナパルトの命を受け、ルイ・アレクサンドル・セザールが設計を担当したのが、19世紀初頭。
当時のルーブル宮殿(現ルーブル美術館)がPalais des Arts(芸術の宮殿)にたいし、その目の前にのびるこの橋はPont des Arts(芸術橋)と名付けられました。
現在かかっている橋は1982年から1984年に建設されたもの。
木で造られた通路はぬくもりがあり、優美な印象。
芸術にゆかりのあるこの橋では、なぜか2008年頃から訪れる人が欄干の金網に南京錠をとりつけてカギをかけ、そのカギを川に投げ込んで不滅の愛を誓うことがブームに。
ちなみに、この愛の南京錠は、ポン・デ・ザールだけじゃなく、パリの他の橋にも見られます。
あとケルンやダブリンにも。
実際、この橋を渡っていると、金網のわずかなすきまを見つけて、そこここで南京錠をとりつけているカップルがわんさかいました^^;
川にカギを投げていた人は目にしませんでしたが、実は環境的なことを考えて、持ち帰っていたのでしょうかね。
見たところ、多くの南京錠には2人の名前とLOVEの文字。
しかし、その「愛」には問題がありました。
とにかく重すぎたんです(>_<)。
なんと、欄干の南京錠の総重量は45トンに達していたのだとか。
数にして70~100万個!
数えきれないほどのおもりをつけられて、橋は悲鳴をあげていたことでしょう。
愛、愛っていいものだけど、こりゃヘビーすぎる。このままでは…ナンテ。
おそろしいことに、この橋は陥落する危機にも見舞われていました。
そして先月。
ついにこの重すぎた愛のしるしを金網ごと撤去するため、橋の通行は封鎖に。
運搬もたいへんだったでしょうね~。このカギはその後、リサイクルなど行われたのでしょうか?
そして新たなポン・デ・ザールが誕生しました。現在はこんな感じ↓
4人のアーティストが「パリの愛」をテーマに作成したアートがお目見えしたのです。
さすがのパリ、仕事が速いです。
けれど、このグラフィティな作品群は楽しい感じではあるけれど、パリというよりもニューヨークのストリートっほい。
これらの作品群は一時的なもので、今秋からはガラスのパネルが取り付けられるそう。
というわけで、ポン・デ・ザール名物の「愛の南京錠」はついに伝説になってしまいました。
けれど、ここで愛を誓った人たちにとっては忘れられない思い出。
Love locks forever!
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