高城剛さんトークライブ@渋谷公会堂

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高城剛さんのトークライブ(2015.6.1)へ。
テーマは「旅は、人を幸せにするのか?」。メルマガの読者限定で、オーディエンスの数は2000人という大規模なもの。

会場は「渋公」こと渋谷公会堂。この建物は1964年完成だから半世紀の暦をもつ。
2006年から5年間の間は「渋谷C.C.Lemonホール」という名称だったこのホールは音楽ライブの殿堂的存在にしてミュージシャン憧れの場。
高城さんがこの会場を選ばれたのには意味があるのでしょう。

19時の開演。
高城さんが最近旅した土地での発見やムーブメントをご自身の解釈を交えつつ紹介。
まずはブルックリンからスタート。マンハッタンのクリエイターたちが土地の広い(スペースにゆとりがある)ブルックリンに移住しているというお話。


たしかブルックリンの前に、ニューヨークで仕事をするクリエイターのオフィスや居住区として人気を集めたのはハーレムだったと思う。
2001年頃にクリントン元大統領がハーレムの目抜き通り125丁目にオフィスをかまえたことが話題となり、注目されはじめたハーレムには友人夫婦が住んでいたこともあり、2004年に旅したことがある。なかなか利便性がよいし、物価も安いし、フレンドリーな空気。

しかし、家賃が毎年のように値上がりしていくこともあり、彼らはハーレムから出ていくことを決めた。そして新しく選んだのはブルックリンだった。

最近では毎週末「スモルガスバーグ」とよばれる、食にまつわるフリーマーケットをウィリアムズバーグとダンボ地区で開催しているブルックリン。
このマーケットに限らず、ブリックリンでは地元で作るものを支持する人が多いそう。意外にも和食のエッセンスも取り入れられ、なかには会席料理の影響を受けているレストランや抹茶を使ったドリンクのお店もあるとか。

これは乳製品を使っていないアイスクリーム。

さて。個人的に興味深かったのは「ステルス・スターバックス」(Stealth Starbucks)について。
日本でもおなじみのスタバだけど、アメリカでは「スタバ」を隠したスタバがあるそう。それがステルス・スターバックス。「お忍びスタバ」とでもいおうか。

スタバなんだけど、スタバのお店とはわからないように運営しているそうで、その実態が知れわたるとスタバの看板を出すのだそう。
Stealthという、tea(お茶)が挟まってる単語もちょっと素敵。偶然なのでしょうか^^;

ステルス・スターバックスのお話を聞きつつ「実は日本にもあったりして?」というロマンもかきたてられてしまった。それがwifiが飛んでるコワーキングスペース的なカフェではなく、純喫茶とよばれる昔ながらのお店だったらイケてるな、なんて。人はギャップに弱い。

ところで、トークライブがはじまる前の会場のスクリーンには、高城さんが撮影された写真が次々浮かび上がる演出がなされ、ライブ前の気分を盛り上げていた。
もちろんここちよい音楽にあわせて。

このトークライブの本題というべきテーマは「南の島」について。
最近、高城さんが好んで旅しているのが世界各国にある南の島。
ヨーロッパ、アジア、南米などの魅力あふれるいくつかの島々をエピソードを交えて紹介するなか、ドローンで撮影された写真も登場し、その斬新で美しいカットに心を奪われてしまった人も多かったのでは。

さて、なぜ南の島なのか。
「今後は地球は温暖化に向かう。だから、すでに暖かい場所には未来の姿があるのではないか」
「自然が多く残る島はこれから観光地化されるのは確実。今のような手つかずの魅力的な姿が未来に残っている可能性は低い。だから今のうちに」
という言葉に共感。

前述のブルックリンも、居住する人が増え、物価が高くなっていて、温暖な気候のメキシコに移り住む傾向にあるそう。
時代的に、人は南を求めているのか!?
そして「島」というひと手間もふた手間もかけてたどり着く場所も高城さんの名言「アイデアは移動距離に比例する」を想起。

「旅する時にとる行動が、自分を幸せにする」と高城さん。旅をする前、人はまず計画を立てる。この「計画を立てる」という行動が、幸福度を高めることにつながっていると。

ビフォー(旅の計画)だけでもセロトニンが分泌され、幸福感はアップするけれど、アフターも同様に重要。
旅から帰った後、誰かにその旅の楽しみを伝えるってことですね。写真や動画を見せる、こんなことあった、あんなことあったという楽しいエピソード、失敗談もあるだろう。それらを人に伝えること。たとえ現地で笑えない出来事が起こったとしても、時間がたてば心のスペースにもゆとりが生まれ、笑って話せることもあるでしょう。

それは最近の言葉でいえばアウトプットというのでしょうかね。その行為は自分の幸福度を高めてくれるというわけです。
自分が幸せでいることが周囲にも伝染していく。

幸運にも目の前のステージには、それをライブ(生)で見せてくれている人がいた。
この日、一番幸福感を感じていたのは全国からのオーディエンスもさることながら、高城さん、その人だったかも^^;

「人は幸せを感じると体温が上がる。体があたたまると幸せを感じる」
南国には「あたたかい」という気候の下地がすでに用意されている。
(よく見ると南って文字は「¥」の通貨記号がセンターなんですね。これほど南って文字をじっくる目にする機会はなかったかも)

自分の足でくまなく世界を歩きまわっている高城さんの話に刺激を受け、旅の計画をたてはじめた人もいることでしょう。
さあ、南の島へ!

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