ベトナムの首都ハノイのホアンキエム湖付近はかつてのフランス人居住区。
湖の周辺にはフランス統治時代の建物がいたるところに残っている。
フレンチコロニアルスタイルのヴィラは入植時代を語る建築物。
コロニアルスタイルを簡単に説明すると、入植した国(フランス)の伝統的な建築を統治した土地(ハノイ)にもってきて、その地の風土に適した機能を取り入れた建造様式のこと。
ハノイのフレンチの名店として知られる「グリーンタンジェリン」の建物もまた、入植時代の名残。建物の壁に見られる「1928」の表示は、このフレンチヴィラが1928年建造であることから。
雨季のハノイは緑が雨という生命力をふきこまれ、濃厚な緑が印象的。「水もしたたるいい緑」という言葉があるとすれば、それはアジアの雨季に繁る緑のことをいうんじゃないかな。中庭のテラスにかけられたテントは雨の日のためのもの。
フランス統治の名残は建築だけでなく、食文化にも受け継がれている。
フランス政府はベトナムを統治すると本国から一流のシェフを招き、本格的なフランス料理をこの地で再現することに努めたとか。
そんなこともあり、ベトナムは東南アジアの中でも美味なフランス料理が有名。
ベトナムと同じくフランスに統治された隣国ラオスのフレンチも最高ですけどね^^;
お店のランチはリーズナブル。前菜+メイン+デザートをチョイスするコースは305,000VND(2015年5月現在のレートで約1720円) こちらはココナツの皮にサーブされた前菜。細かく刻んだトロピカルフルーツや野菜、ハムなどをマリネしたサラダ。
メインのチキンとポテトのグリル。
ツーリストとおぼしきふたり。お店は雑誌「FIGARO」の表紙に採用されたこともあるそう。
店内から外を見るとこんな感じ。
お店はいわゆる「うなぎの寝床」のような造りで、京都の町家に通じるものがある。
お店の内と外は別世界で、ドアから一歩踏み出すと、もうそこは夥しい数のバイクが行き交うハノイ旧市街の雑踏。
石畳の床、照明、ドアのまわりなどはフランス風。エキゾティックな趣の植物はアジアならでは。そんなものが溶け合って不思議な空間をつくるレストランは、ホアンキエム湖から徒歩で約5分、ホテルやおみやげ屋さんがひしめくHang Be通りにある。
■Green Tangerine
住所:48 Hang Be Street, Hoan Kiem District, Hanoi, Vietnam
営業時間:11:00~23:00
定休日:なし
電話番号:+84-4-38251286
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