サン=テグジュペリのフランス・フラン札

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現在、フランスの通貨はユーロですが、2002年まではフランス・フランでした。
上の写真は50フラン札。お札にはアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリが描かれていました。

初めてフランスを旅した時に両替し、あまりの愛らしさに使うのが惜しくて(50フラン札だけはなるべく使うまいとがんばって。当時のレートで約1000円)、持ち帰ったのがこの50フラン札。

テグジュペリといえば、『星の王子様』の作者として有名ですね。
郵便輸送のためのパイロットとしても活躍していた彼は、自らの体験をいかし『夜間飛行』という名作も残しています。

ちなみにフラン札は他に、20フラン(クロード・ドビュッシー)、 100フラン(ポール・セザンヌ)、200フラン(ギュスターヴ・エッフェル)、500フラン(ピエール・キュリー、マリ・キュリー夫妻)がありました。
どのお札にも、フランスを代表する顔ぶれがずらり!ですね。

日記 『ヨーロッパ浮わ気ドライブ』が書かれた1957年もフランス・フランの時代でした。
著者水馬義輝の1957年8月7日の記録によると

コーヒー 60フラン
パン1ケ 20フラン
フイルム現像料1本 110フラン
航空便カラーフイルム(4本)送料  568フラン
ニュース映画 65フラン
自動車練習 450フラン

調べたところ、1957年は1フラン=85.96円。やがて、1990年代になると1フランは20円台となるのですが。
海外旅行自由化前の、当時のフランスの物価が高いことがよくわかります。

さて、テグジュペリといえば、『星の王子様』に出てくるこの言葉も知られていますね。
Le plus important est invisible (大切なものは、目に見えない)

品性とか心根とか夢とか愛とかよばれるもの。
さあ、これだよと、手の平にのせて見せたりできないもの。
肉眼では見えないものを見る方法があるとすれば、「感じる」こと。
目の奥に宿る光に。振り返った時の一瞬の気配に。

たとえば、ある人から叱られてしまった。なぜ私が!?理不尽すぎる!とその時は反発するものの、時間が経ったある日「あれは私を思ってのことだったのか…」と視点が大きく変わることがある。
その時こそ、肉眼には見えない大切なものを受け取ることができる瞬間だと思うのです。
それは、自分が「感じた」積み重ねの結果なのかもしれません。

SANYO DIGITAL CAMERAいにしえのフランス・フラン札にはテグジュペリ自身が描いた王子様も居すわっています。

そしてこの方も。ウワバミ!

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Tres Tres bon!
愛らしさ満点。お札のデザインってその国の美意識を映しだしているんじゃないかな。

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