今発売中のアエラ(朝日新聞)「現代の肖像」に登場しているのは、三越伊勢丹の大西洋社長。
日本の百貨店業界で最大手といわれる三越伊勢丹。伊勢丹新宿本店単店では約2300億円の売上を誇り、これは世界一の記録。
日本経済新聞によると9月の売上高(速報、外商を除いた既存店ベース)は、前年同月比2.3%増で、3カ月連続で前年実績を上回ったとか。
ただし、日本の小売業界における伊勢丹三越を含む百貨店のシェアは5%にすぎないことも知っておきたい。かつては小売業のキングは百貨店といわれたものだけど、スーパーマーケットやコンビニ、専門店の売上げが業界シェアの多くを占める時代になったのだ。
2013年3月、35年ぶりに全館改装し、リニューアルオープンした新宿本店。
開店当初の玄関を復元するという、重厚な歴史に敬意を払う文脈が感じられるエントランス。そしてクラブ(語尾にアクセントがくる方ね)やラウンジを思わせるスペイシーな空気感ただようフロア(これはたしか、デザイナー森田恭通さんの仕事)は、百貨店を遊びの空間にいざなう見事な演出。
最近、いろんなところで、ナントカ「力」という表現をよく使うけれど、「百貨店力」を用いるにふさわしいのは伊勢丹新宿本店がまず挙がる。
さて、2014年4月に公開された『伊勢丹タンタン』。
これは伊勢丹社員500人が伊勢丹新宿本店の持ち場をステージに踊る、前代未聞の百貨店イメージPV。
作詞作曲は矢野顕子さん。振り付けはパフュームなどを担当しているMIKIKOさん。
百貨店がPVを、しかも出演者は伊勢丹で働く人たち、そのうえ表現方法はダンス。
やるな!さすが!すばらしい!新しい!斬新! 見ていて、もうもうこんな言葉しか出てきません。
各地でAKB48の『恋するフォーチュンクッキー』を踊るのも流行ったけれど、三十番煎じなんぞにならず、オリジナル曲、オリジナルの振り付けを披露しているところが、伊勢丹の百貨店力。
百貨店力=結束力とも感じとれる、笑顔いっぱいの皆さんのダンス。ひとりひとりが主役、という感じで踊っているのがとても好感持てます。
そして矢野顕子さんもお客様役で登場する演出にもグッときます。
全国の百貨店で働く人や広告宣伝に関わる人は、いい意味で悔しがるんじゃないかな。
伊勢丹新宿本店は業界のトップランナーとして、刺激を与えてくれる存在なのかも。
イセタン羽田ストアのオープニングでは大西社長もダンスをお披露目。
きっと、ダンサーの方たちは、パートごと(売り場ごと)に皆で練習を重ねたのだろうな。
「伊勢丹愛」の結晶ともいえるPVですね。
何かモノを買うのなら、こんな夢のある百貨店の、夢を分けてくれそうな人たちから買いたいものです。だって、いいことありそうな気がするもの(^^)